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とある夏の夕方、父から連絡が入った。
吉祥寺で仕事があったから食事をしないかというメールだった。

吉祥寺駅はいつも南口と北口がどちらだったかを忘れてしまう。
バスターミナルがある方で待ち合わせをして、五日市街道沿いのレバ刺しが奇跡のようにおいしいお店へ行く。
ごま油がかかったレバ刺しは吉祥寺の奇跡だ。
ビールで乾杯をする。

彼の仕事の話を聞く。近況を話す。
ホルモンを食べる。これがまた奇跡のようにおいしい。
焼酎を飲む。父は山猿を飲んでいる。
〆は必ずたまごかけごはん。またこれが奇跡のようなたまごかけごはんだ。お腹一杯でも軽く食べられる。なんだろうこれ。

席を外して戻ってきたら、お店の人と今手がけている仕事について話をしていた。
その話しぶりを見ていたら、自分がやっている仕事に対して何の疑いも引け目もなく
本当に向き合っているんだと感じた。そしてそれは今だけじゃなくずっとそうだったのだと
初めて気付いたのだった。

ものすごく忙しくていつもお付き合いで帰りは午前様で、
よく考えてみれば二人で食事をしたことも数えるほどしかない。
どういう仕事をしているかなんて詳しく聞いたこともなかった。

吉祥寺の夜はまだ続く。
大学の時からよく行っていたジャズのレコードが山積みのお店へ移動する道すがら、
目的のお店の向かいのお店によく通っていたんだと父が言った。
そこは古くからあるジャズバーで
20数年前三鷹に住んでいた時期、あちこちのお店にボトルを入れては飲み歩いていたと笑う。
そしてジャズレコードのお店にボトルを入れてくれた。

ウィスキーをがんがん飲みながらピザを食べ
色々なことを話した。
ビートルズの話、好きなジャズの曲、好きな作家、知らないことが酔っ払った頭に染み込んでくる。

一緒に暮らしていた時の方が知らないことばかりだ。
それはきっとお互いさまだろう。

入れてくれたボトルを飲みに行くという口実で、いつまた吉祥寺に行こうかを考えている。
きっと夕方くらいに降り立って中道通りを歩いてダンディゾンへ寄ったり井の頭公園へ行ったりして
暗くなってからが本番だ。
お酒を飲めて幸せだと心底思う。


大事な夏、逃がさないよう一人サマータイムをやっている。
どんなに暑くても夏が好きだ。
去っていくのにこれだけ刹那だと思う季節はない。

どうか逃がさないようちゃんと向き合えますように、
明日もいい音と出会えますように。

明日は起きたら飛行機を予約してお祭りを見に行く。
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by telephonelove | 2010-08-06 02:48 | day


NO MUSIC,NO LIFE


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