はらドーナッツと夏の空

久しぶりの再会はそれはそれは満天の笑顔だった。


大学生の時、介助犬という身体が不自由な人のサポートをする犬を育てる
ボランティアをやっていた。
彼は事務所に来た時まだほんの子どもだった。
真っ白い毛と細い体をしたラブラドールレトリーバの子犬だった。

介助犬候補として事務所へ来た彼が、
諸般の事情で介助犬になれないとわかった時
家庭の中で愛玩犬として生きる第二の人生を
どこの家で過ごすか、家族探しが始まった。
そこへ名乗り出たのが都内の知人の家だった。


川に程近い街で犬と家族の生活が始まった。
そのうちに大学を卒業し、就職をし
疎遠になっていた。
それでも常に彼が元気か頭の中で気になっていた。

久しぶりに再会したら、すごく立派な成犬になっていた。
真っ白に近い毛はそのままにがっしりした体型になっていた。
お父さんもお母さんも変わらず暖かかった。
愛されて育ったんだなと思うと嬉しくて泣きそうになった。


こんなに喜ぶなんてやっぱり覚えていたんだねとお父さんが言った。
もう何年も会っていなかったのに。

ちゃんと愛されて家族になって
どんどん馴染んで空気のようになって
そんな月日が知らない間に流れていた。

もう小さい時のように川を散歩はしないけれど、呼ぶとちゃんと戻ってくるんだよ。
夏日の太陽が沈んだばかりの午後七時
一緒に散歩をしながら説明してくれた。

正しく時が流れていると感じるのはこういう時。
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by telephonelove | 2009-08-18 02:20 | day


NO MUSIC,NO LIFE


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